キイロイ

星乃勇太と宇宙人アイドル

舞台『アンプラネット- Back to the Past!-』2018/1/5-2018/1/14@品川プリンスホテル クラブex

アイドルステージシリーズ第4弾アンプラネットの新作、『アンプラネット-Back to the Past!-』

1秒も見逃せない、1ミリも隙のないこの舞台をどう書いたものか悩んでもう何度も書き直しています。


アイドルステージシリーズで何が魅力というと、やはりアイドルへの揺るぎない「愛」だと思うのです。今作でも、個性的なアイドルたちを零すことなく1人1人丁寧に拾って、全員が魅力的なアイドルになっていました。


その中でも、今作でまた違う魅力を見せたのが1番上の兄であるセシィ。

今までのセシィは、ときどき隙や熱さを見せながらも、基本的には冷静で頼れる存在でした。

しかし今回、何年も何十年も何百年も探していた姉さんを手に入れられる機会を前に、兄弟の中でも圧倒的に焦り、余裕を無くしていたのはセシィでした。

今にも泣き出しそうな顔、切羽詰まった必死な顔。美しい顔が歪むほどのセシィの表情には、ライブとは違う方法でビジューの心を締め付ける魅力があります。

もちろん、セシィだけではありません。

マーニィはライブの時のきゅるきゅるした可愛さとは違う、男の子っぽいちょっとガサツな動作や話し方をする緩急にやられてしまいます。

サティのそのまっすぐな瞳の輝きに違わない澄みきった言動は、老若男女問わず観客全員の母性本能を刺激していました。


美波日音は、アメリカにいた頃の姿が描かれています。

CHaCK-UPに入った頃とまるで印象の違う、暗くて自信の無い姿でした。

しかし、ジェームズに「お前は一生ステージに立てないのだから」と言われ、睨むとも悲しむとも思える表情でじっとジェームズを見やります。それは、ジェームズが怯むほど強く。

「宇宙一のダンサーになること」便利屋ポミィがずっと語り続けている夢に通じる日音の強い意志が見えた、とても好きな場面です。

これは余談ですが、充分に才能があるのに、華やかな兄や地味な容姿によって自信の持てない時期があった日音の目に、根拠のない自信に溢れた天宮王成という人物はどう映ったのでしょうか。

2人が出会い、それを強調するかのように『ミュージカル「CHaCK-UP -Episode.0-」』が描かれたのは運命的に感じます。


アイドルステージに登場するアイドルは単なる”キャラクター“ではありません。

例え舞台の上にいても、吐いた息のあたたかさを感じられるほど”生きている“から、彼らの物語は多くの人を惹きつけて、そしてそのまま離さないのです。


あの日、CHaCK-UPのヘルプクルーだった日音は自分の居場所を求めてアンプラネットを選びました。

見ているこちらの居心地が悪くなるほどポミィ中心に作られたステージ。リーダーとして用意された場所に収まっただけのように見えた日音でしたが、その直向きさは確実にアンプラネットの心に届き、自分の居場所を自分で作っていたことが今回ようやく分かりました。

その証拠に、日音はアンプラネットがいなくても、自分の居場所を自分の手で掴んでいます。

日音が積み重ねた努力が、姉さんも入っていないただの高校生である“美波日音”をアンプラネットに選ばせたのです。


そしてこの物語で、姉さんの魂が日音に移ったのはエリィの所為だったということが明かされました。

個人的に、前回の『ミュージカライブ「アンプラネット-ボクの名は-」』で、きっとこの八方塞がりな状況を打破してくれるのはエリィだと思いました。

エリィだけが、ポミィに着いて行きたいという意思も、アイドルとしてCHaCK-UPと対峙する理由も、もうすでに持っていたから。

だからこそ今回エリィが不在の中で、エリィが無意識に導いてくれていたチャンスを掴めたのはとても意味のあることだったと思います。


「どっちも頼む」

ひとつだけを求めて途方もない時間を彷徨い続けたアンプラネットが見せた初めてのワガママ。姉さんも日音も欲しがった瞬間、彼らはようやく「アイドル」になりました。


そして、まだ初々しいアイドルたちに要様が語ったアイドル論。


「帰る居場所が出来た時、僕らは初めてアイドルになれる」

「仲間が、応援してくれる人たちが居場所を作ってくれる」


アイドルとは居場所であり、居場所とは「帰る場所」である。


この言葉はそのまま、何度も時間移動を繰り返してきたアンプラネットが、それでも戻ってくる2018年の地球に確かに存在している「アンプラネット」というグループへの言葉になります。

しかし、それと同時に、時間が経つにつれて揃うことが困難になっていく、ここで生まれた全てのアイドルグループとそれを応援するわたしたちへの言葉になりました。


E.T.L vol.9で、ポミィの出番は極端に少ない。そして、きっとこれがアンプラネットの答えです。

日音がアイドルだったからアイドルを利用していた彼らが、アイドルを選び、アイドルになる為に立つ初めてのステージ。

ようやく横1列に並んだ彼らは、もうポミィを中心に立てる必要はなくなったのでしょう。


3部作にも及んだアンプラネットの物語は、今回の作品で第1章の完結を迎えました。

今までのアイドルがそうだったように、これからの「物語」はすべてわたしたちの目の前で起こります。

アイドルステージのライブパートはあくまで物語の続きにあるのです。


生まれた瞬間黄チャームだったわたしにとって、今回は初めて金星人★ヴィーのいないアイドルステージでした。(ヴィーちゃんっぽいのはいたけど)

アイドル達にとってアイドルが帰る居場所であるように、わたしにとっても、アイドルステージは帰る居場所です。

そしてもちろん、その居場所に大好きなアイドルが欠かせません。

大好きなアイドルが帰ってくる未来を守るために、わたしはこれからも「アイドル大好き!」「アイドル最高!」と叫び続けるのだろうなぁと思います。


そんな今回の物語で誕生したアイドルが、彼らの世界では伝説となった三日月を追っかけてやってきた未来人アイドルのプライムーンだなんて。

未来のために過去を紡ぐ、また新しい物語の始まりにわくわくするのです。


RICE on STAGE「ラブ米」~Endless rice riot~ 2017.11.17-11.26 @品川プリンスホテルクラブex

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

先の新嘗祭で優勝したラブライスの名は学園中に知れ渡っていた。

そんなラブライスの前に現れた、陸稲米ユニットのST☆RICEと古代米ユニットのGAZENBOYS。

強力なライバルの登場にラブライスは自分たちの強さを見つけられずにいた。

そして敵対し合う3ユニットに迫り来る、かつてない規模のイナゴの襲来。

果たして3ユニットは力を合わせ、学園を危機から救うことができるのか?!

そしてラブライスが見つけた強さとは…

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ツッコミどこはあると思いますがいろいろと。

軸となるストーリーは単純で、この単純なストーリーが若いお米たちの魅力を最大限に伝えていた。


ブライス

息のあった掛け合い、ツッコミ。8月のE.T.Lでお披露目された時はどうなるかと思ったけど、本当に良いチームになっていた!


キャラクターにも、それぞれのキャストの個性が滲んでおもしろい。

ここが他の2.5次元作品と違うところで、あきたこまちなんてあきたこまちの名を持った別のキャラクターかな、と思った。

白石くんのあきたこまちでなければ「さーせん」なんて言えません。


2.5次元作品を見ると、せっかくそれぞれにおもしろい役者さんをキャラクターの枠に閉じ込めてしまってはもったいないなぁと思っていたので米ステはとても気持ち良かった!


ひのひかりが水も飲まず必死におにぎりを食べたり、あきたこまちがスピーカーに突っ込む勢いでスライディングを決めたり、ささにしきはやたらと声を張る長台詞があったり、それぞれ体も張る。


その極みが、合鴨ブラザーズによる「ハーベストショー強化合宿」

ランダムで出る2つの単語を使って3分間即興劇をしろ、という鬼のような時間。


困るとすぐ神になっちゃう田村くん。


兄鴨に行く末を心配されるほどの捨て身のキャラで乗り切ろうとしてた星乃さん。推しです。最高。


何度滑っても何度でも1番に飛び出して行く前川くん。心臓鋼鉄なのかな。


白石くんは唐突にモノマネで歌い出す、DVD収録の日に版権に引っかかりそうなこと口走る、ウィッグぐちゃぐちゃにする、とじわじわヤバいとこを出していて、しばらくの間「あきたこまちヤバい」しか言えなかった。


お兄ちゃん達がそうやって要らぬ傷まで負って挑む中、可愛いがブレなかった真白くん。強い。


この即興劇も公演を重ねるごとにみんなでまとめられるようになって感動した。


あの3分間はまっっっっったくキャラクターでは無かったけれど、彼らはそれでも可愛くい続けてくれたのですごく楽しい時間になっていた。

素になっても彼らがアイドルであることはブレなかったから、ラブライスがどんどん親しくてちょっと心配で愛おしい愛おしいチームになったのだと思う。



同じ5人組でも、ST☆RICEはもっと人数がいるように見えるほどそれぞれのキャラが強い。

初日の衝撃が強すぎた平山の全身タイツ(トカゲ)も、5人で作る空気感のおかげで13公演いつもおもしろかった!


そして個人的に大好きなハタモチ3兄弟。


守りたいゆるゆる笑顔とユメちゃんを庇う男らしさのギャップで妹になりたいグルメ続出のトヨ兄。

表情豊かでダンスの時はセクシーさも出せちゃう、ささにしきを煽る顔が最高のキヨくん。

時々飛び出す低い声やキレキレのパラパラが個人的にツボな、とにかくめっちゃ可愛いユメちゃん。

オフマイクでもわちゃわちゃしてて目が足りない。



一見とっつきにくいGAZENBOYSも、実は愉快な集団で可愛かった。どのチームも好きになっちゃうようなほころびが愛おしい。


米達の中で合鴨ブラザーズはすごく良い味を出していたし、お米たちのおいしいところを引き出しているのも彼らだった。

パラパラを踊る海太くんの笑顔は天下一品だと思う。



かなりの声量の13公演の中で、喉をやられるキャストもいたけれど、喉を庇ってやるよりも、振り絞るように声を出した彼らの姿がこの舞台の正解だった。


初日から目に見えて成長している若いお米たちが最後に振り絞った「これが俺たちのRICE on STAGEだ!」


不器用でも、できることをとにかく精一杯にしていた彼らだったから、紛れもない本物の作品になっていた。


ライブシーンがあれば、応援グッズが振れれば、ファンサがもらえれば、アイドルなわけではない。

不完全でも不器用でも応援したいと思わせる、そんな魅力がお米ンバー全員にあった。

アイドルものの作品は本当に増えたけれど、わたしが見たかったのはこうやって手作りでほころびだらけで愛おしい、そんなアイドルステージだったんだ!



新嘗祭ではキャストと一緒におにぎりを食べたり、パラパラを踊ったり、意味分からなくて楽しくて、通ってる途中で何か歴史的瞬間に立ち会ってるようなわくわく感があった。

ロビーでおにぎり売ってたからね。

見終わった後、心はホカホカ炊かれている。お米を食べるのが楽しくなる。

ひとまず第1膳、ごちそうさまでした!!

舞台「KING OF PRISM-Over the Sunshine-」2017.11.12マチネ@AiiA2.5TheaterTokyo

応援グッズでライブに参加だけでなく、観客が芝居の台詞に反応して叫ぶ、2.5次元舞台では恐らく史上初の「応援上映スタイル」


おもしろかったのは、芝居と観客参加はそれぞれ独立しているところ。もともと映画という独立した作品に向かって勝手に合いの手を入れているから当たり前ではあるけど。


観客参加というよりも、台詞に野次や茶々をいれているように見える。(観客の台詞も「お約束」があるのかもしれないけど、映画の応援上映参加していないので分からなかった)

そのせいか、今まで観てきたどんな舞台より芝居に自由に客が参加している割に、今までで1番映画を見ている感覚に近い。


第四の壁を取っ払ったようでむしろ第四の壁を強く感じる不思議な舞台だった。



そんな中、「ここはどこだ」とか「わたしたちは誰だ」とかそんな面倒くさいものを取っ払って、舞台をぐちゃぐちゃに掻き回していたのが古谷大和くん演じる高田馬場ジョージ。

まさに台風の目。


あの子のこと好きにならないわけなくない??


シュワルツローズがただのいけ好かない集団にならなかったのは彼のおかげだと思うし、メインのストーリーには特に絡まなくてもジョージを出演させたのは流石としか言えない。


アニメの高田馬場ジョージは見たことないけれど、theアイドルな接客と総帥に対する作り込んだ可愛い笑顔、同グループのメンバーに対するシニカルな態度。どこを切り取っても好きしかない。


あとエロいのが良い(素直)


めちゃくちゃな日替りネタでも、1人で舞台に立っても、会場をモノにしてしまう力量に惚れ惚れした。わたしが観に行った公演はサン◯ャイン◯崎のネタをしてた。



映画を観ているような感覚に、ライブでは生のおもしろさが加えられる。

(演出家があんステの人と聞いていたので期待して無かったけれど)素直に楽しかった!


川辺のホタル、プリズムジャンプ、お風呂でセクシーゾーンを隠す湯気。凝ったプロジェクションマッピングの前で繰り広げられるアナログな演出も親しみやすい。


そして壮大な映画的音楽。音楽のお陰で舞台に厚みがでていた。

とにかく壮大なので、音楽に頭がやられて最終的に「そっか…これがプリズムの煌めきか…」とか思っていたからすごい(????)


作品をあえて舞台の文法で構築し直さずに、2次元を「そのまま」持ってくるというのも1つの演出方法で、それが舞台にはまればこうやっておもしろくなるというのは新しい発見だった。



とりあえず高田馬場ジョージに「俺と高田馬場で“ジョージ”しない?」と営業かけられるまで高田馬場に通います…

超!脱獄歌劇ナンバカ @六本木ブルーシアター 2017/9/14-9/24

最初はノリが寒く感じて、もうこういうの楽しめない大人になっちゃったんだなぁって残念だったけれど、何度も観劇したせいでまあアリかなとか思っちゃったり。思わなかったり。

舞台としては、主人公(?)のジューゴと「首に傷の男」との因縁を軸に「新年大会」のエピソードだけを切り出していたので、原作もアニメも全く知らないけれど観やすかったです。
その作品が持つ個性とかノリとかはもう合うか合わないかだから仕方ないかなぁ。あれが作品の持つ特徴だとしたら、余すことなく描ききっていたと思います。
ネタを入れたり、多少のハプニングをあえて強調しておもしろさにしたり、そういった演出は慣れるとおもしろかったです。
特にジューゴから九十九へのガチ蹴りの生っぽさが好きでした。痛そう。
でも舞台化する題材ももう少し考えて欲しいなぁとも思います。客層のメインは中高生ではないのだから…大人のオタクはつまらないと感じても推しが出てれば行っちゃうからダメなんですよね。言うほど客入りなかったし、休日も関係者ばんばん来てたし、お見送りとか言い出したし、物販で穴埋めしようとしてる感じ見え見えだったけど。

衣装は豪華で、舞台セットも蛍光色で決めててビジュアルは派手でした。
13舎13房の囚人の紹介曲で、コンクリート風のセットに影が映るように照明当てていたのがかっこよかったです。あとパンフレットがなかなかお洒落で個人的に好きです。
若干見た目の個性が先行しすぎてしまっているキャラクターもいました。外見ほど中身が伴わない、キャラの取って付けた感が。

推しである星乃勇太さんの役は中国人の少年リャン。大きな舞台で見ることが少ないせいか、いつにも増して顔小さ!細!っと感じました。鮮やかな赤い衣装が白い肌に映えて中性的な美しさ。
アクションも女性的というわけでは無いのだけれど、力強さの中にもしなやかさがあって、とにかく美しい!
メインシーンでストイックさと華麗さを感じられたのでそういうキャラなんだなぁと思って見てたら、次のシーンでは奇声を発しながら登場したのでリャンのキャラは今だによく分からないです。
でも推しのおもしろさはそういうところで出る!
原作のリャンのキャラは分かりませんが、きっと「ストイック」を突き抜けてしまって周りからは少し奇人に見える、という姿が推しの作ったリャンなのかなぁと解釈しました。
リャン、九十九、仁志のシーン、推しの数少ない見せ場なので、もっと自由な姿が見たかったです。推しは器用な方だと思うので、普通にやれと言われたらきっと普通にできてしまうけれど、そうではない一癖を入れてもらえたのは幸せでしたが、推しはもっとおもしろい!
前回川尻さん演出の舞台で推しはラスト15分しか出てこない(オープニングにもいない)という使われ方をしていたので、それに比べたら出番多くてよかったです(???)
テ○ミュも刀○ュも出ていない、見た目も地味なタイプの推しが、2.5次元作品で名前のある役をもらえてることだけでもすごいことだと思うようになりました。
1人だけ歌が無いのは悔しいので歌劇なら次は歌わせてください。

他のキャラクターだと双六一を演じていた郷本直也さん。やっぱりあれくらいの貫禄と安心感が無いと、自由にさせてもらえないのかなぁ。
それからウノ役の北園涼さん。最初は苦手だったのですが、おかずの多い動きと独特の喋り方がだんだん癖になりました。
五代大和はキャラクターがズルいです。おもしろいに決まってます。

わたしは初日始まった途端「モリのアサガオ」を思い出してしまって乗り切れなかったのですが、何も考えずにその場の雰囲気に身を委ねれば楽しいと思います。
わたしも観劇3回目超えたあたりからそれなりに楽しくなりました!
アーーーーーーーーイッ!!!!!!!

「夏の夜の夢」2017年8月11日〜13日@亀戸文化センターカメリアホール

昨年に続き夏のシェイクスピア@亀戸。

全体的に去年よりポップにラブコメしてて見やすかった。台詞を「その時代の台詞だから」と真面目な顔して流さずに、現代の私たちが自然に感じる解釈で捉えていたので分かりやすい。役の解釈もそれぞれ自由だった。

ハーミア・ライサンダーカップルはライサンダーの下心が見え過ぎる。ムッツリで何故か挙動不審。ヘレナに寝返った時、ハーミアへ浴びせる言葉と暴力。あのパックもちょっと引いちゃうクズっぷり。大人しそうな顔して「わたしは今でも綺麗でしょ?」とか言っちゃうハーミアとなかなか良いカップルだった。
去年はライサンダークズじゃんとか思わなかったのになぁ。

一方ヘレナ・ディミートリアスカップル。トークショーでディミートリアス役の松村泰一郎くんが言ってたいた通り、和合真一くんのヘレナは「圧がすごい」。押しも強い。腕力も強そう…
特にハーミアを追って森へ行ったディミートリアスに着いて行くシーン。和合ヘレナの表情?話し方?の「妙」さ、全身でディミートリアスへ愛を伝えるちょっとした狂気が、シェイクスピアの台詞回しに「妙」にマッチングしていた。ヘレナがメンヘラのポエマーにしか見えない…
追い掛けられる松村ディミートリアスは逆に小さくて弱そう。デレデレした表情や時々見せる間抜けさ、格好悪さ。2人の凸凹感もおもしろい!
「殺されてもいいからぁ!!!!!」と突進してくるシーンなんて、その勢いでディミートリアスが殺されそう…あくまで「女性として自然に見えるように」とは言っていたけれど、だとしたら和合くんの女性のイメージどんなだよ…
和合ヘレナの圧の所為か和合くんの恋する乙女解釈の所為か、台詞がいちいちリア恋拗らせオタクに刺さる。分かる、分かるよヘレナ。ディミートリアスが世界の全てだよね。見ていないと気分が悪くなるよね。あの人のすること、全て私の所為ならいいのにね。
ディミートリアスと結ばれた後、観劇をするヘレナの"ディミートリアス狂"ぶりも凄い。ディミートリアスの言葉には大袈裟に頷いて、ライサンダーの言葉には氷の矢のような視線を送る。ライオンに物凄く怖がってみたり、ラストシーンで号泣してみたり、メンヘラっぷりも凄い。
去年の夏の世の夢では、役のおもしろさはパックの一人勝ちと思っていたけれど、ヘレナもディミートリアスも、演じ方によってはとても魅力的になるんだなぁと。

そんな大好きなパック。今年は古谷大和くんが演じるということで期待大。自由で天真爛漫、子供っぽい素直で純粋な残酷さを持った可愛らしいパックだった。
人間を驚かせたり喧嘩をさせたり賑やかなことが大好き。純粋に「おもしろいな!」とか「不思議だな?」とか、欲望のままに生きていることが伝わる。
妖精の王様オーベロンとの関係性もおもしろかった。オーベロンは、悪戯好きでちょっとお馬鹿さんなパックに手を焼きつつ、出来の悪い我が子を愛おしむように。パックはオーベロンに敬意を見せながらも、すっかり懐いてリラックスしている。親子とも師弟とも言えない優しい雰囲気。オーベロンの脚の間にちょこんと座るパックが可愛い。
基本的には何でも楽しそうだけど、時々コトンとつまらなそうな顔をする。そう思ったら、目の前の人の筋トレや拍手を真似してみてすぐ元気になる。何か楽しいことがあると、妖精の王様に報告しようと思っていた事も忘れてキョトン。アハッ!という笑い方も印象的だった。
瞬間を生きてて掴みどこがない不思議な存在。
ラストシーンの台詞。飛び出す言葉の意味は分からなくても、落ち着いた声と遊びのある言葉が耳に心地よい。

推しにもパックを演じて欲しい!是非!!

最後の劇中劇では、若手俳優舞台の追っかけを嗜みとする私たちへ、公爵の有難いお言葉が次々授けられる。
「取り柄のないものに取り立てて感謝するのが親心だ」
「出来栄えでなく心映えで見るのだ」
公爵〜〜〜〜!!!!!!
シェイクスピアさんはこの作品どうしたんでしょうね。前作で、ちょっと剣を突き立てたり猛獣に雄叫びを上げさせたりしたら滅茶滅茶叩かれたりでもしたんですかね。その上プロデューサーから急に新人俳優6人使えとか無茶言われたんですかね。

ロバ頭に夢中になる妖精の女王ティターニアが可愛くも滑稽に映る。
もしかしたら、私の愛する推しさんもロバ頭かもしれないし、必死に追いかけるのだって、妖精に花の蜜で悪戯されたせいかもしれないね。
アハッ!

導いてくれたのはいつだって、目の前に「存在」してるアイドルだった

大人の「ごっこ遊び」を、出演者の皆様と共にお楽しみいただけますと幸いです。


この文章を見たとき、わたしは、なんて素敵なのだろうと思ったのです。大人のごっこ遊び。
わたしが見つけたアイドルは彼らの1つ次の世代でしたが、こんな素敵な遊びを見つけた自分を、少し誇らしく思ったのです。


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アイドルステージって、2次元とか2.5次元とか、そんなただ流行ってるだけの言葉で片つけられてしまうような陳腐な作品だったっけ?
わたしが今までその小さな箱の中で見てきた出来事は、別世界かもしれないけれど、紛れも無い"現実"だった。喜んだりはしゃいだり笑ったりしたし、泣いたり苦しかったりもした。
だって、目の前のアイドルは呼吸をするし汗もかく。

アンプラネットに選ばれた彼らについては残念ながらまだ描かれていないけれど、CHaCK-UPもプレゼント♦︎5も、中の男の子たちはみんな"欠点"を抱えて、世界から少しはみ出していた。
それぞれが持っている雰囲気、ちょっとした「ほころび」を、大袈裟に描いてみせる。
そして、アイドルステージの物語はそれを矯正したりしない。世界の方をぐるっと変えてしまうのだ。
ほころびだらけのアイドルを丸ごと受け入れる優しいアナザーワールドは、きっとそこから出来上がった。
新曲はそんなに上手に歌えない。
振りを間違えて一瞬険しい顔をみせる。
MCを重ねる度にアイドルのキャラは何故か「お友達」に寄っていって、最初は無かった設定を公式で追加せざるを得なくなる。
生だからこそ伝わる癖や雰囲気、隠しきれない緊張や圧倒的な成長。
わたしは彼らの「ほころび」ごと愛おしく思う。


明らかに流行りに乗ってやろうと分かるようなオタクっぽい絵の中に彼らを閉じ込めてしまうことは、愛おしい彼らを殺してしまうことだ。
どうしてそんなことになってしまったんだろう。
アイドルの「お友達」の中にも、2.5次元で活躍する役者が増えてきた。「お友達」がメジャータイトルに出て名前が売れることで、アイドルステージを取り扱うコンテンツが圧倒的に増えるというのは、前回のミュージカライブで実感した。
ドルステ人口が増えたらいいな、と言いながらも、この明らかに人を選ぶ遊びの楽しみ方を見つけた選民意識はいつもわたしの中にある。(みんなそうだと思ってるけど、わたしだけなのかなぁ)

アイドルステージの物語はいつまでも、「はみ出してしまったわたしたち」に優しい世界であって欲しい。

ミュージカライブ『アンプラネット-ボクの名は-』6/8-6/18 @紀伊國屋ホール

ポミィのこと、アンプラネットのこと、いろいろなもやもやを残して終わった去年の5月の舞台『アンプラネット』。きっといつかこのもやもやを亀田さんが晴らしてくれる!と信じて1年、ミュージカライブ『アンプラネット-ボクの名は-』が始まった。

本来は「知らない」はずの昨年5月の舞台『アンプラネット』ですが、今回その補完がされているので、5月の舞台の内容にも触れながら感想を書いていきます。もし観ていない方がいらしたらDVDを買ってください。あと良かったらミュージカル『CHaCK-UP episode.0』も買ってください!秋葉原アニメイトガールズステーションなどで購入可能です。

ちょっとしたあらすじ
離れ離れになってしまった姉さんを探す海王星人のセシィ、エリィ、マーニィ、そして別行動のサティ。姉さんが眠っている宝石「キセキノカケラ」を追って、銀河アイドル選手権の会場に辿り着いた。一方その頃、宝石の運び屋の仕事をしていた便利屋ポミィ。彼の運ぶ宝石こそが大会の報酬、そして海王星人の姉さんが眠る「キセキノカケラ」だった。宝石を取り出して戯れていたポミィに、宝石の中で眠っていたポムリアの魂が乗り移る。
ポミィの身体に憑依したポムリアはヴィーを巻き込んで銀河アイドル選手権に出場することになった。男の身体でアイドルをする姉さんの姿に驚く弟たち。姉さんと再会はしたものの、宝石に戻るのは嫌だと言われてしまう。どうしても姉さんを宝石の中に帰したい弟たちの説得に、ポムリアは条件付きで宝石へ帰ることを約束する。それは、セシィ、エリィ、マーニィ3人がこの銀河アイドル選手権で優勝すること。
3人は、アイドルを目指しながらもなかなか芽が出ないローザ率いる「RABP」のメンバーであるペポ、アビス、ブランの身体に憑依。ポムリアとヴィーのユニット「ダブルワーク」や1000年に1人の逸材と言われるルカルカといったライバル達に挑み優勝を目指すこととなった…



オープニングは海王星人のセシィ、エリィ、マーニィがばらばらになってしまった仲間や姉さんを探しているという歌詞が盛り込まれた曲。
アンプラネットが海王星人であるということは、舞台『アンプラネット』上演当時ビジューの間でまことしやかに囁かれていた。
5月の舞台で不器用に、でも必死に仲間を取り戻そうとしていたアンプラネットの切実さや切なさがこの1曲に詰め込まれ、初っ端から大号泣させられた。
しかし、続く2曲目から雰囲気はガラリと変わり、それどころか後々姉さんともあっさり再会してしまう。ローザと共に歌い、踊ることでいつの間にかアンプラネットの目的は姉さんを取り戻すことだけでなく、銀河アイドル選手権で優勝することへと変化していく。
舞台『アンプラネット』では彼らアンプラネットにとって「アイドル」は仲間を見つけるための手段でしかなかった。
でもドルステのアイドルには、アイドルを夢見て、アイドルであることに誇りと楽しさを感じて、アイドルであり続けて欲しい。それぞれ紆余曲折あれど歴代ドルステアイドル達がそうやって「アイドル」という存在を信じ続けてくれたから、私たちはこの夢のアナザーワールドの中で何も疑うことなく安心してアイドルのファンを続けることができる。
アイドルが目的でしかなかったアンプラネットの主演舞台だからこそ、このミュージカライブはアイドルが主軸だったのだろう。
大会の最後に歌った曲にこういう歌詞があった。
「アイドルはみんなの憧れ 憧れられたら嬉しい 君がいてよかった」
それは本当に儚い夢かもしれないけど、大好きなアイドルにそんなこと歌われたら一生ついて行くしかない!キラキラの笑顔が涙で霞んで、この世のものとは思えない輝きがわたしの目の前に広がった。

物語の主人公は便利屋ポミィ。登場するとミュージカルが始まった!と感動するくらいの圧倒的な歌唱力、表現力。
登場曲は2015年に上演されたミュージカル『CHaCK-UP episode.0』(以下エピゼロ)のポミィの登場を彷彿とさせるダンス、相変わらずお金がすべてという歌詞。でも彼の仕事着のポケットにはあの日天王星の皇子から受け取った前払いの「報酬」がきちんと入っている。
続く掃除屋ヴィーの登場もエピゼロを何度も観た者には懐かしい。
そしてヴィーから、ここで銀河アイドル選手権がある事を知らされたポミィが歌う、彼がかつて抱いていた夢を歌った曲。これが登場曲と同じメロディで歌われる。歌詞も、エピゼロでレイが歌った「ドリーム」にオーバーラップして涙を誘う。この一連の流れが本当にずるい。もちろん今作だけでも十分楽しめるが、過去作を観ている人は何重にも楽しめる仕掛けが仕組まれている。
あの時レイにあれだけ強引に説得されても拾うことのできなかったポミィの夢が叶ったラスト
シーン。ドルステミュージカルシリーズの主人公である便利屋ポミィの切ない物語に光が射した。

衝撃的だったのがダブルワークのポミリアとヴィー。女子(?)が2人になることで舞台上のバランスがとてもよかった。少し強めのポミリアのキャラも、隣にいるのが完璧なキラキラ女子を演じるヴィーちゃんであることで中和されていた。
ポミリアはディ◯ニープリンセスのような可愛らしさ。そして、掃除屋ヴィーの高いプロ意識に裏付けられたヴィーちゃんのぶりっ子ぶり!オンとオフが瞬時に切り替わり、そのギャップがとてもおもしろい!

ARBPは地球人キャストの特徴を生かした、さすが亀田さん!なグループだった。特に印象的なのはペポとブラン。ペポはその特大マシュマロボディでキュートな腹ペコキャラに、現在進行形でどんどん進化している。セシィが憑依した時の豹変ぶりも可笑しい。憑依した時のおもしろさでいったらブラン。憑依したマーニィが「この体すっごく喋りにくいよ!」と苦戦することで、彼の特有のアクセントが唯一無二の個性に変わった。
アンプラネットの5月は物足りなかったそれぞれの個性も、今回は舞台上でイキイキとしていた。イマイチ面白みの無いセシィ(※愛です)も、ポムリアにウザい言わせることで面白みの無さがおもしろさに変わる。
もしかしたら欠点になっていたかもしれないそれぞれの個性が、亀田さんが拾って役に昇華させる事で愛しさに変わっていく。だから亀田さんの物語は誰にでもとても優しい。

ラストシーンで便利屋ポミィが、彼を便利屋と呼び、これから行動を共にしたいと申し出るアンプラネットにこう伝える。
「ポミィだよ。ボクの名前は便利屋ポミィ。一緒に来るなら名前くらい覚えてよ!」
この台詞だ。これを、きっと未だに姉さんを探し続けているアンプラネットに分かって欲しかった。君たちが手に入れたポミィは姉さんの器ではない。1つのかけがえのない魂なんだ。それを今回、「全てを分かっている」ポミィ自身が伝えてくれた。
「ポミィ!これからよろしくな!」と屈託無く答えるエリィ。もしかしたらこの熱血で直情的で少しお馬鹿な男の子が、アンプラネットの未来を救ってくれるかもしれない。

普段は1対多な舞台との繋がりを、ミュージカライブ中は1対1で感じられる光の仕掛けも涙を誘う。楽しいレビューパートと宇宙人流なお見送り、本当に盛りだくさんで満足度の高いミュージカライブだった。