キイロイ

星乃勇太と宇宙人アイドルと

ミュージカル「テニスの王子様」青学vs氷帝 2018/7/15マチネ@TDCホール

数多の2.5次元作品がありますが、俳優たちの流した汗がこんなにキラキラ輝く舞台は、やっぱりテニミュだけだと思います。

 

全国大会準々決勝、青学vs氷帝

 

オープニングでは前作の比嘉戦、そして関東大会での氷帝戦がダイジェストで再現されます。

比嘉戦に通っていた観客はそこに青学9代目を見るだろうし、関東大会の氷帝は青学8代目が重なって見えます。

または2ndシーズン、1stシーズンの青学、比嘉、氷帝をそれぞれに重ねるのだろうこのシーンで、今、舞台の上にいるのは、今作が初本公演となる青学10代目。

テニミュの歴史を肌で感じる瞬間です。

 

テニミュは、バックステージを含めてひとつの作品となる、2.5次元舞台の先駆けと言われながら、追従できるものが無い特殊な作品だと思っています。

舞台としての完成度もさることながら、若いキャストのその若さ、「テニスの王子様」という作品が紡いできた歴史、全て含めて「テニミュ」という作品です。

キャストたちは、各校テニス部のキャラクター役に選ばれたと同時に、「テニミュキャスト」という役も背負う、「テニミュ部」という感じだなぁ、といつも思います。

テニミュに「青春体感ミュージカル」というフレーズが付けられたのは、確か2ndシーズンの全国大会氷帝でした。

 

これは余談ですが、ネルケプランニング若手俳優舞台の3本柱が、「テニミュ」「アイドルステージシリーズ」「ミュージカル刀剣乱舞」だと勝手に思っています。

 

テニミュ」のバックステージ的なおもしろさを、舞台パートとして見せたのが「アイドルステージシリーズ」

「アイドルステージシリーズ」の2部構成システム(2部はライブです、というあれ)を、既存のキャラクターを使って行ったのが「ミュージカル刀剣乱舞」ではないでしょうか。

 

 

話をテニミュに戻します。

 

関東大会と変わらぬメンバーでテニミュに「再入部」を果たした氷帝学園

 

関東大会から今日まで、それぞれの場所でレベルアップしていたことを感じました。

 

なんと言っても、この期間で推しと一緒に仕事をした人が氷帝だけで5人もいます。(この場合氷帝もすごいけど、推しもとってもすごい)

 

関東氷帝跡部景吾役三浦宏規くんの身体能力の高さばかりが印象強かったのですが、全国大会では1人1人が印象を残せる役者になっていました。

もちろん、三浦くんのジャンプやターンは、派手な演出など不要なのでは無いかと思うほど美しかったです。

 

個人的に印象に残ったのは、忍足侑士役の井坂郁巳くん。

彼の独特な表情や雰囲気が、忍足侑士にうまく混ざって、今まで見たことのない忍足侑士となっていました。

必死になった忍足は、もしかしたらこういうちょっと「気持ちの悪さ」を持っているのではないかと思った程です。

 

 

青学の注目は、不二周助役の皆木一舞くん(慣れない)

切れ長の目が濃い肌の上で光って、キリっとしたクールでかっこいい不二です。

 

見た目は!

 

一言台詞を口にすると、印象が180度変わります。

 

え?今、小鳥さんがさえずった??

 

零れたふわふわの言葉がTDCホールの高い天井に浮かんでいたし、青学の姫というか妖精というか天使というか、全部ひっくるめて青学のオアシスでした。

 

不二、青学のオアシスでした。

 

声量も滑舌も十分なのですが、声が可愛くて優しいです。

走り方も可愛い!

 

歴代不二には、泣き虫だったり、顔は可愛いけど裏番だったり、腕力最強だったり…

様々なタイプがいましたが、こういう形で見た目と中身にギャップのある不二は初めてです。

 

そして今作品で不二の最大の見せ場である「ヘビーレイン」

今まで、あんなに優しいヘビーレインを聞いたことがありませんでした。

心が浄化されるような歌声です。

そんな歌声に感化されたのか、心なしか雨音も優しく聞こえ、雨の妖精とか出てきて、イブ不二と一緒に踊りだしそうでした。

 

彼自身とキャラクターが馴染んだ時、どんな不二が生まれるのか、次の四天宝寺戦、S3での不二がとても楽しみです。

 

 

思い入れの深い試合はいろいろありますが、今回はD1、大石・菊丸ペアvs宍戸・鳳ペアでしょう。

 

大石が怪我をして離れている間、様々なペアでのダブルスや時にはシングルスで、必ず間に合うと信じて待っていた菊丸

自分よりもチームのために動いてきた大石は、やっぱり菊丸とチームの為に、そして何より自分の為に、不完全でも試合に出ることを決めました。

 

ダブルスでなら、という形で宍戸を引っ張り上げた跡部

チームからは一歩距離を置いているように見えて、誰よりも氷帝を思い、勝って跡部に繋げると叫んだ宍戸

鳳はそんな宍戸を慕い、愚直に勝利を追いかけます。

 

一試合に詰め込んだら崩れそうな程のドラマです。

 

ゴールデンペアは「勝って当たり前」だったペアなので、きちんと描かれる試合は、ペアで出られない試合や負け試合が圧倒的に多い。

菊丸が大石のラケットを制止した瞬間、私は泣きながら「また勝てなかった」と思いました。

たとえ何周目であっても、「負け」を見るのはつらいものです。

 

歴代たくさんのゴールデンペアが上ってきたコンテナに、10代目のゴールデンペアが立ちました。

彼らはこれから「全国No.1」になるゴールデンペアです。

 

かつて、全国大会への切符を手にしながら「自分たちは全国へは行けないけれど」と卒業していった青学がいました。

 

たくさんの夢を繋ぐ「テニミュ

重たいバトンは今、青学10代目が握っています。