キイロイ

星乃勇太と宇宙人アイドルと

蘇る青春、3度目の冬 ミュージカル『テニスの王子様』 青学vs四天宝寺

2ndシーズン四天宝寺はわたしの青春でした。

だから、彼らがテニミュを卒業した時、わたしも1度テニミュから卒業したのです。

 

母校に戻るような気持ちで観劇した3rdシーズンの四天宝寺

 

青春、ぜんぜん終わってなかった。

 

別の命のもとで、懐かしくて新しい青春がそこにちゃんとありました。

 

 

M1が四天宝寺新校歌なのですが、もっと四天の子達をじっくり観てから満を持して校歌が来て欲しいと毎回思いました。

気持ちが乗ってきてから聞きたいし、校歌2回歌ってもいいよ??チャチャチャ!

 

 

謙也くんの電話を最初に受けるのが、2ndシーズン忍足謙也役碕理人演じるオサムちゃんという演出は粋過ぎます。

見慣れた教室で息する知らない生徒達の受け止め方を、リヒトくん演じるオサムちゃんが示してくれました。

 

 

桜乃がリョーマくんを追いかける場面は桜乃sound onlyに変わっていました。

今まで桜乃はトリオの1人が女装して演じていたので、男の子が作った女の子の声は必然だったのですが、女装したトリオ不在のまま男の子が作った女の子の声だけが流れるのは、独自の歴史的背景の上に成り立っているのを感じて面白かったです。

客弄りっぽいこともしていて、桜乃が3000人いるーと思いました。怖い。

スポットライトが示す客席もおにぎりが置かれている場所も決まっていて、王子様が客を選ぶことは決して無いことに配慮を感じます。

 

 

コートの中だけ激重の橘vs千歳を経て、ようやくオープニングです。

ふんふんふ~んみたいな曲でした。

擬音語で心情をよりストレートに表現する高度な三ツ矢節が炸裂していますね!知らんけど!

 

 

有明のテニスコートの天井が開き、心なしか風も感じて、全国大会準決勝が幕を開けます。

 

 

シングルス3、不二vs白石

 

皆木一舞くんの不二は初めての試合です。

イブちゃんのことは舞い降りてきた天使(君しかいない)とか青学の宇宙人とか思っていたので、髪を振り乱してボールを追いかける姿は感慨深いものがありました。

髪が綺麗だ………………

 

「アイツ、遊んでやがる」とまで言われた不二くんが、初めてがむしゃらさや必死さを見せる試合。

不二くんの文脈とはやや違うイメージですが、勝ちへの執着どころか「勝ち負けってなぁに??(きょとん)」みたいなイブちゃんが初めて“悔しい”という感情を手に入れたように見えました。

少しだけ人間っぽくなったね、イブちゃん。

 

 

白石役は増子敦貴くん。

 

お顔がお綺麗ですね!!!

 

お顔が!お綺麗!ですね!

 

「エクスタシー」はダンスが上手過ぎて新人類でした。

体育の授業でダンスが必修になってる世代の白石が爆誕してしまった…

 

魅せ方も分かっていて、舌を出してみたり微笑みを飛ばしてみたり

彼が顔を客席に向けると、その先にいる“スタンド応援団のみんな”が100人単位で死んでいく音が聴こえるようでした。

 

若さ故に集中力もテンションもエネルギーもどんどん上がっていって、でもテクニックがあるので、感情が肉体を飛び越えてしまう間際でそれを抑え込むようにしていて。

今にもトんでしまいそうなところで繰り広げられるそのぎりぎりの攻防が、劇場の外まで漏れ出すような色気を醸していました。

 

帰り道で10代と伺って仰天したのですが、あんな子1人で夜道とか歩かせて大丈夫ですか???

ボディガード20人くらいつけたほうがよくない???

 

四天宝寺戦のシングルス3は、個人的にとても好きな試合です。

 

チームの流れを左右する大事な緒戦を任された、本当に強い2人の戦い。

 

最後の、「君は敢えてコードボールを!」から「白鯨…!」までの4打は本当に天才かと思います。

 

だって、敢えてコードボールを狙って最強のカウンター技を返すんですよ、それを無理な体勢から再びヘカトンケールの門番で返すんですよ、コードボールを返されたことすら驚きそうなのに冷静に何度でもコードボールで返せるんですよ白石という男は、でも不二という男も例え再度ヘカトンケールの門番や白龍で返す余裕はなくても白鯨を繰り出せるのですよ、その白鯨がもし入っていたら白石は返せなかったし、試合自体どうなっていたか分からない!!!!!!!

最強(さいつよ)!!!!!

2人とも勝ちでいいよ!!!!

 

1stシーズンから何十回観てるんだよという感じですが、最後の1球まで目はかっぴらき、手足は痺れて震えます。

 

 

ダブルス2、海堂・桃城vs金色・一氏

 

四天ベンチが楽しいことを思い出しました!

 

財前くんが事あるごとにスマホでカメラを回しているのが現代っ子ですね。

小春ユウジのネタを撮ってストーリーに「センパイ達の新ネタおもんなすぎ🙄」とかあげるんだろ、みたいに思ってたのですが、見てるとネタだけではなくてベンチの様子とかもくまなく撮影しているんですよね。

これは、2年生の財前くんが先輩達の最後の夏を、思い出として残そうとしているのでは…?と気付いてあまりの愛おしさに涙が噴き出すかと思いました。

 

廣野凌大の財前くんは、ツンデレさは踏まえつつ感情が素直な構ってちゃんです。

先輩たちにめちゃくちゃ暴力的なのですが(飛び蹴りをかます、腹を複数発殴る、ピザって10回言わせた挙句のキモい発言 etc.)、何だかんだ許されている辺り甘え甘やかされな後輩としてのびのび育てられてて可愛いです。

 

そういえば謙也くんにもスマホで撮影させて、気に入らないのか謙也くんをメガホンでバシバシ叩いていました。

それにしても、地面と平行にスマホを持てない謙也くんマジ謙也くん度120%

 

そして何故か財前くんのスマホで白石くん(顔アップ)を撮影し始める謙也くん。

3A可愛い!

白石くん顔が綺麗!

 

白石くんは白石くんで、お人形のようなお顔でオサムちゃんとハートを作ったりしていてめっかわでした。

オサムちゃん職権濫用し過ぎじゃないですか??

 

白石くんはチームメイトと一緒にノリ良く遊びつつ、やはり部長で、監督側の立場に近い人物なのだと感じさせます。

不器用っすから!の曲中も四天の子達は遊んでいる子が多いのですが、白石くんは小春ユウジが劣勢だと気付くとスッと試合に集中するのです。

そういうちょっとした動作で、白石くんの責任感、四天宝寺というチームを率いる姿勢、築いてきた立場とかとかとか増子くんの白石像がドバッと脳に流れ込んで窒息するところでした。

 

D2のネタ、めちゃくちゃくだらないのですが普通にヘラヘラ笑っていました。

なんか、こうやって舞台観ながら素直に笑ったりするの久しぶりだったな…

ここ最近観た作品があまりにもアレだったから…

 

 

1幕ラストの曲、後半から突然聴き慣れた懐かしい曲に戻って、あの日と同じ立ち位置で全く別の子たちが似ているけど全く別の物語を築いていて、その強烈なエモーショナルに涙が出そうになっていたら突然会場が明るくなって2幕です!!

 

 

オサムちゃん劇場は健在でした。

四天宝寺トリオ可愛いすぎじゃないですか????????

TDCに断末魔が響き渡り地獄かと、いや天使が3人いるし天国なのでしょうか??

わたしもあの中に1人でも推しがいたら危なかったです。

 

四天ほほほーじの曲は耳に馴染み過ぎて、懐かしい曲と思うことすらしなかったことに驚きました。

大阪マンボを歌われた方が懐かしいと思いそう。

 

 

S2 河村vs石田

 

中学生テニスにしては重過ぎる試合です。

 

石田が放つ最後の波動球、銀さんが打ち返す前にオサムちゃんが「アカン!」と叫びました。

私はこの瞬間、謙也としてオサムちゃんとして、何十試合もこの試合を見てきた彼の運命に心臓を抉られるように感じました。

 

オサムちゃんは、少なくとも、2nd四天宝寺忍足謙也役のさきまさとが演じるオサムちゃんは、銀がその球を返そうとして何が起こるか悟ったのだ。

見てきたから。

謙也として、オサムちゃんとして、今日まで何十試合、ただの一度も試合に出ることはなく、四天宝寺が迎える結末を。

 

 

D1で手塚の名前がコールされて、謙也が決意の表情を浮かべます。

そんな謙也からラケットを受け取るのがオサムちゃんなんて、恐ろしい因果。

あの中の誰よりも謙也の悔しさを知っている彼が、それでも謙也には何も言えず、千歳の背中を押すのです。

「勝ったもん勝ち」という言葉が呪いのように聞こえます。

チームが勝つ為には、自分ではなく千歳が行くべきだと、かつてはチームメイトを励ます為に使っていたその言葉は、謙也の腕を引いたのです。

 

財前は、謙也と一緒に勝つ気でいたと思います。

財前のぜんぜんしゃーないと思っていない「まあしゃーないっすわ」は、声を絞り出す様子が辛かったです。

初日は白石が頭をがしっと掴んで励ましていて、意外に感情が素直な財前くんが甘やかされて育っている様子が表れているのを感じたのですが、千秋楽は背中を軽く叩くに留まりました。

白石くんも白石くんで余裕が無かったよね。

「ダブルス1で立て直しや」そうチームメイトへかけた白石の声は震えていましたから。

 

 

手塚と千歳のラリーに飛び込んだ財前が、球に触れることすら出来ずに下がる背中。

 

大袈裟に悔しがることはなく不貞腐れたように帰る姿が、若しかしたら自分なら、という淡い期待すら打ちのめされたことを物語っていました。

 

青学さんにとっては、厳しい氷帝戦と立海戦の合間の、束の間の休息のような楽しい公演だったかもしれませんが。

 

何度繰り返しても勝利に届かない苦い冬を追体験してしまった私は、S2が終わった辺りから信じられないくらい泣いていました。

 

そこには、一緒に2度目の冬を迎えてしまったリヒトくんの存在が大きかったと思います。

リヒトくんが居たから、私は“卒業生”という意識を一度捨て去って、蘇った青春の中一緒になって笑ったり悔しくなったり泣いたりできたのです。

 

 

そんな感傷を吹き飛ばすような未来への希望に溢れた、リョーマと金ちゃんの一球勝負!

 

年々高度になる映像とぴったり合わせる2人の力量に度肝を抜かれます。

 

金ちゃんのパートの歌詞で「アイツの集中力が纏わり付いて気色悪い」という歌詞があったのですが、この世紀のライバル対決に「気色悪い」という言葉を使えるセンス!

やっぱり三ツ矢先生の詞には頭が上がりません。

 

側から見たら運命だとかライバルだとか、美しい言葉に納めてしまうような2人ですが、彼らの間にあるのは相手を倒したいという欲望だけで、そこには当然「気色悪い」みたいな本能的な感情が存在するのだと、天才の頭の中を覗いたような気分になります。

 

もう一球や!と言う金ちゃんの無邪気さは知っての通りですが、それに呼応するリョーマくんの素直さは私にとっては初めてで、阿久津仁愛くんが今日まで築いてきた揺るぎない“越前リョーマ”をそこに見ました。

 

 

当然ながら目が足りないエンディング

イブちゃんが(ちゃんと踊れてるかな…テンポずれてないかな…など)気になりつつ、顔が綺麗な白石くんに目を奪われがちでした。

 

「俺たちの合言葉」では、どんなに時代が変わっても変わらない王子様達のトンチキ私服に癒されます。

毎回衣装は違うのに、どこを見ても誰を見てもトンチキで、ここまでトンチキ衣装のバリエーションを生み出す衣装さんは流石プロだなぁと思いますね。

 

 

1幕が終わる時、ああ明日はまた現実生活が待ってるなぁとか寂しくなって、そういう感覚すら久しぶりだったことを思い出しました。

 

何度でもわたしは

四天宝寺中学校の応援をして

笑って泣いて

青学に思いを託して

悔しくて

何度でも何度でも

 

3度目の春が来る